今回は「蜜蝋」というロウの作り方を紹介してきたいと思います。
SDGsを目指している現代にはもってこい!!なのですが・・・
実は作り方がとても大変な上に、なかなか量が作れないといった問題があるので、全国に普及させるのは相当難しいですね。
とにかく、さっそく作り方を見てみましょう。
蜜蝋の作り方
蜜蝋は蜂の巣の搾りかすを利用して作られます。
搾りかすには蜜蝋以外にも蜂の死がいやゴミなどが混ざっていますが、お湯の中に搾りかすを入れることで蜜蝋が溶けて浮き上がってくる性質を利用して蜜蝋を作ります。
まず、搾りかすを木綿製の袋に入れて鍋の中に入れます。鍋に水を入れてお湯を沸かすと、水より比重の低い蜜蝋が溶けて水面に浮いてきます。
完全に蜜蝋が溶けたところで火を止めて冷やすことで固まって蜜蝋の板が出来上がります。
搾りかすは木綿の袋に入れておけば蜜蝋が溶けた後にゴミだけがそこに残り、蜜蝋だけが浮いてきます。
蜜蝋の融点は65℃と低いため、お湯を沸騰させる必要はありません。
搾りかすをお湯溶かすと異臭がしますので、屋外で行うことを推奨します。
1回だけでゴミを完全に取り除くことはできませんので、何度かこの作業を繰り返していきましょう。
溶けた後には型に流し込んでいきます。
耐熱性のタッパーもいいですが、自然にこだわるのなら木型を作って使うのもいいかもしれませんね。
蒸し器による蜜蝋の作り方
お湯を使わず蒸し器を使って蜜蝋を作る方法もあります。
先ほども書きましたが、蜜蝋の融点はおよそ65℃となっています。
そこで、蒸し器のようなサウナ状態の場所に搾りかすを入れておくだけで、蜜蝋だけを取り出すことが可能になります。
お湯で溶かすよりも最初からゴミが少ない蜜蝋を作ることができます。
精製時の注意点
蜜蝋は鍋を直火にあててしまうと煙が出てきて最後には発火してしまいます。
しかも、うまくいったとしても、蜜蝋の温度が高くなりすぎて、蜜蝋の色が黒っぽく変色してしまうことがあります。
火を扱う作業なので、目を離さずに様子を見ながら作業を進めるように心がけましょう。
保存の方法も注意が必要です。
搾りかすをたくさん集めてから精製しようとして、常温で保存しておくとスムシがどんどんと蜜蝋を食べてしまいます。
採蜜が終わったものは密封して冷凍庫に入れておきましょう。
そもそもの原料
原料は蜂が巣です。巣をつくる際に蜂から分泌されるものを精製したのが「蜜蝋」です。
蜜蝋は食用には用いられることはありませんが、ハンドクリームやろうそくなどに活用することができます。
蜜蝋の用途
蜜蝋はろうそくに使われていますが、現在では石油から作るパラフィンというものに活躍の場を奪われています。煤(すす)が出にくく、香りもいいのですが、やはり大量生産となると供給がままならないようです。
ろうそく以外では、ハンドクリームなどの化粧品や木材用のワックスで使用されます。
お店で売られている製品にも蜜蝋が使われているものもあります。
ただ、現在ではほとんどを石油製品が代用品として作られていますね。
木材用のワックスもニスやラッカーが多いし・・・(;´・ω・)
また、二ホンミツバチを捕獲するためにも蜜蝋が大活躍します。
蜜蝋を巣箱に塗っておくことで、二ホンミツバチを誘引できると考えられています。
もちろん、必要な蜜蝋は二ホンミツバチのものです。
残念ながら、市販されているほとんどの製品はセイヨウミツバチのものが多いです。